「扶養」とは、世話をし養うこと。生活の面倒を見ること。
養ってあげる人が「扶養者」、養ってもらう人が「被扶養者」
その扶養者についてですが、社会保険と所得税とでは、その定義、条件が違うので注意が必要です。

被扶養者とは

養ってもらう人が「被扶養者」と前にも述べましたが。
実際に何らかの援助を受けて扶養されている者をいいます。なので、親族(扶養者=養う者)の収入によって生活している家族は「被扶養者」として健康保険の給付を受けることができます。

ですが、家族あるいは親族なら誰でも健康保険の被扶養者として認定されるわけではありません。そのためには法律で決まっている一定の条件を満たすことが必要です。

それは、家族・親族のうち、被扶養者となれる範囲があったり、さらに、被扶養者になるための条件があったりするからです。そこで、まずは、被扶養者となれる範囲、そしてそれをみたしたうえで、被扶養者になるための条件を確認してみます。

[注意]健康保険の扶養家族は会社の扶養手当の対象や税法上の扶養家族とは基準が異なります。

被扶養者の範囲

扶養者(被保険者)本人からみて、どの範囲の親族・家族までが被扶養者の範囲になるのか確認してみます。

(まず、難しい説明をそのまますると…。)

☆被保険者の直系尊属、配偶者(戸籍上の婚姻届がなくとも、事実上婚姻関係と同様の人を含む)、子、孫、弟妹で、主として被保険者に生計を維持されている人 (同居はしてなくてもよい)
☆被保険者と同一の世帯で主として被保険者の収入により生計を維持されている次の人[※「同一の世帯」とは、同居して家計を共にしている状態をいいます]

  1. 被保険者の三親等以内の親族(前項の直系存続、配偶者は除く=なぜなら前項の条件のほうが緩いから)
  2. 被保険者の配偶者で、戸籍上婚姻の届出はしていないが事実上婚姻関係と同様の人の父母および子
  3. 配偶者が亡くなった後における父母および子
    (※ただし、後期高齢者医療制度の被保険者等である人は、除きます)

・・・とかなりややこしいのでまとめると。

 【被扶養者になれる人】

(1)被保険者と同居していても別居していてもよい人(図のピンク枠内の人)
 ・配偶者(内縁の夫または妻でも可)
 ・子、孫
 ・弟、妹
 ・父母、祖父母などの被保険者の直系尊属
(存続は血のつながっている家族と思えばよいと思います)

 (2)被保険者と同居していることが条件になる人
(1)以外、の3親等内の親族(例えば、兄弟)
被保険者の配偶者(内縁関係も可)の父母、連れ子(義父母など)
配偶者(内縁関係も可)死亡後の父母、連れ子(前の項は配偶者がなくなっていても有効ということです)

被扶養者として認められる三親等内の親族範囲図

【注】1.数字は親等を示しています。2. ピンク色で色分けした者(養われている事実があれば、同居でなくてもよい)  ピンク以外、(養われている事実=生計維持関係の他に同居である必要があります)

[参考:三菱重工健保組合 http://www.mhi.or.jp/shiori/fuyousha_hani/index.html
 ここの図が一番見やすかったのでお借りしています。説明もやや難しいですが、詳細に乗っています。但し、健保組合と協会健保の違いを若干今日慮する必要があるかもです(´・ω・`) 

 

被扶養者の認定基準

さて、被扶養者の範囲を確認したところで、それ以外にある認定を受けるための条件を確認します。親族で養われているものは必ず被扶養者になれる!というわけではないのです

 

<認定条件> 

①その家族は健康保険法に定める被扶養者の範囲であること
(まえの項目をあらためてご参照下さい)

②後期高齢者に該当していないこと
(ご両親やおじいちゃん、おばあちゃんを扶養に入れる時は注意が必要ですね)

 ③被保険者がその家族を扶養せざるを得ない理由があること
(学生だから。無職だから。病気がちだから等々。18歳以上60歳未満の家族であれば、証明する必要があります。(☆下記参照)

④被保険者がその家族を経済的に主として扶養している事実があること
(=その家族の生活費を主として負担していること)

 ⑤被保険者には継続的にその家族を養う経済的扶養能力があること
(とはいっても社会保険の適用を受けている被保険者であればそれなりの正社員のかたがほとんどなので大概はスルーできる項目か)

⑥その家族の年収は被保険者の年収の1/2未満であること
(これは注意が必要です。厚生年金の老齢給付受給者だと普通の会社員だとほぼアウトになります)

⑦その家族の収入は年間130万円未満(60歳以上又は59歳以下の障害年金受給者は年間180万円未満)であること (よくパートさんが、年間の給与が130万円ないし、103万円以内になるように給与を調整しているのはこの項目のためですね。ちなみに、103万円は所得税上における扶養控除の条件です)

健康保険でいう年間収入とは、所得税と違っていつからいつまでの収入うんぬんではなくて。恒常的な収入がなくなった時点で、扶養に入ることができます。

例えば、結婚して、仕事を辞めた場合は、「その時点」ですぐに配偶者の扶養に入ることができます。

ただし、失業給付をもらっているときは、働く意思がある=生活の面倒を見てもらうつもりはないとみなされ、扶養に入れません。

 扶養されているという証明とその申告

健康保険の被扶養者に該当するひとは一般的には
①配偶者、②18歳未満の子、③60歳以上の家族です。

このひとたちは、働けなくても仕方がない、理由を明示することが容易です。
(専業主婦です!学生です!定年なんです!といった感じで)

しかし、それ以外の方、つまり、就労可能な年齢(18歳以上60歳未満)の方は、自立して生活できる場合がほとんどなので、なぜ扶養になる、養ってもらう必要があるのか?つまり、働いて自立できない状態にあることを証明する必要があります。そのうえで、養ってもらっている状態ということを申告する必要があります。

 

 扶養の認定はいつから(扶養認定日)

「被扶養者(異動)届」(含む:必要書類)が提出され、保険者が扶養の事実を認めて受理した日が認定日となります。

(※新たに扶養に入るのものが新生児の場合、出生年月日を認定日)

(「婚姻」「被保険者資格喪失」の2つの異動事由の場合は、1ヵ月以内に異動事由を証明する書類を提出し、受理された場合に限って、その事実が発生した日に遡って認定するとあるのでいずれにしても速やかに手続きを行う必要があります)

 

 ●扶養からはずれる場合は(扶養削除日)

就職等により、被扶養者の所得が、基準を超えた場合等の理由で被扶養者の資格がなくなった場合は、直ちに「被扶養者(異動)届」及び必要書類一式を提出する必要があります。

(勤務してる方は、総務課の担当職員に、速やかに連絡することです!)

(※「死亡」においては死亡日の翌日が。被扶養者が就職して保険証が発行される場合は、その「資格取得日」が。「後期高齢者」に該当した場合はその該当日が、それぞれ≪削除日)となります。)

「被扶養者の資格が既になくなっているのにもかかわらず直ちに届出をしなかった場合は、遡って資格が取り消され、場合によっては当該期間にわたって発生した医療費の全額及びその他給付金を過去に遡及し返還しなくてはなりません。」なんてことにもなりかねないので、手続きは早めに行う必要があります。

 

その他

●被扶養者の保険料

被扶養者の健康保険料はもちろんかかりません。
ただし39歳以下(又は65歳以上)の被保険者が40歳から64歳の家族を被扶養者にした場合は、認定月から該当被扶養者の介護保険料がかかることになります。

●被扶養者資格の再確認

被扶養者資格の再確認は一定の期日を決めて実施することになっています。
再確認の際に必要書類の提出ができないときは資格を取り消される場合もあるため、仕送り証明などの書類はいつでも提出できるように準備していただくことが必要です。

 

(とりあえず。今回はここまで。また順次継ぎ足していきます(´・ω・`))


 
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